OSCE(オスキー)とは

OSCEとは「Objective Structured Clinical Examination」の頭文字を取ったもので、「客観的臨床能力試験」と訳されます。ペーパーテストによる知識重視の教育ではなく、判断力・技術力・マナーなど実際の現場で必要とされる臨床技能の習得を、適正に評価する方法として注目されています。本学の取組みでは看護学部4年間で学ぶ技術内容の到達度や評価基準を明確にし、認知・精神運動・情意領域を含む教育方法と客観的な評価方法のシステム化を目的としています。

客観的評価方法のシステム化

今回の取り組みは、看護学部4年間で修得する技術内容の到達度および評価基準を明確にし、認知・精神運動・情意領域を含む教育方法と客観的な評価方法のシステム化を目的としています。そのため、社会的要請である看護実践力の質を保障し、看護実習の環境整備、看護技術項目と卒業時の到達度の明確化、看護教育内容・教育力の向上などにも応えるものです。

教育GP Good Practiceとは

文部科学省では「Good Practice」をキーワードに、教育の質向上に向けた取り組みや政策課題対応型の優れた取り組みなど、大学での個性・特色ある優れた取り組みを選定しています。平成20年度からは「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」を実施しています。

OSCEの三つの柱

看護実践力と本学が目指す教育「育てるOSCE」

事業推進責任者
事業推進責任者(副学長・看護学部長)
中村 惠子
KEIKO NAKAMURA

看護系大学の教育は学問を享受することに加え、看護実践力を育成することが大きな柱になっています。私たちの大学では看護学部全体で実践力育成のために「育てるOSCE」を掲げて取組み、それが平成20年度の教育GPに採択されました。看護実践力は単独のテクニックを練習するだけでは獲得が難しいとされる、看護としてのエビデンスに基づくアセスメント、アセスメントに基づく観察や看護の提供を一連のプロセスとして、限られた時間(7〜12分程度)で実施し、模擬患者と教員からフィードバックを受ける看護実技テストです。このOSCE導入は学生の自己学修を促すツールであると共に、全教員参加のもと推進していることから、継続的な看護教員のFD(Faculty Development)活動に繋がり、教員間のコミュニケーションも深まっているようです。市民の社会参加としての模擬患者養成も順調に進み、約30名の札幌市立大学模擬患者が活動しています。

平成22年4月に第1期生が卒業し、多くの病院等へ就職しました。就職先の病院等からいただいている評価も高く、この取組みの成果と自負しています。今後は現場と連携しながら教育の検証を積み重ね、より良い教育法を検討してまいります。


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