平成21年度の概要

OSCE課題調整・運営実施部門(代表者:樋之津淳子,坂倉恵美子)

1.OSCE 課題調整班(代表者:樋之津淳子)

課題の検討を重ね、シナリオを作成

課題・シナリオ・評価項目・評価基準の作成と調整を担当します。平成21年度は1年生2課題(基礎看護学領域)、2年生2課題(成人看護学領域)、3年生6課題(成人・老年・小児・母性・精神・在宅看護学領域)、4年生3課題(地域・管理と基礎・成人・老年による複合)の検討を重ねました。また演技の標準化を図り模擬患者用シナリオを作成し、課題の意図、内容について模擬患者説明会を行いました。現在は自己学修を促すことを目的に、過去の課題や出題傾向などのWEB公開準備を進めています。

[実際にOSCEで使用したシナリオ]

 

2.OSCE 運営実施班(代表者:坂倉恵美子)

実施計画から当日の運営まで

平成21年度は全学年(1〜4学年)のOSCE試験が実施され、看護学全領域がOSCE課題を作成した初めての年でした。運営実施班では全学年のOSCE実施計画を作成し、実施マニュアルの作成、準備、リハーサル、当日進行などを施行しました。22年度のOSCE実施の特質は全学生にOSCE受験を義務づけることになったことです。また実技指インストラクターの有効な活動を推進するために、教員と学生に向けて周知を計画的に進めていきます。


[OSCE 運営実施マニュアル]

実践評価部門(代表者:宮崎みち子)

Mulberryを活用した評価分析を実施

第一段階として、本学が開発したOSCE支援システム「Mulberry-Ozoneシステム(Ver.2010)」の活用により、OSCE当日に評価項目別の平均点、課題別の最高点・平均点を示すと共に、学生個別の評価シート(図参照)を作成。次いで第二段階として、OSCE実施から約1ヵ月後、模擬患者からの課題別感想、評価担当教員と模擬患者の講評を記したOSCE個人シートを基に再度OSCEを振り返り、自己の課題を明確にする時間を設けました。OSCE全体の評価は、教員にはFD研修会で、模擬患者には意見交換会で伝達し、今後のOSCE評価に向けての意見をもらう機会としました。


[学生個別評価シート例]

学年別検証部門(代表者:松浦和代)

学年別到達度を評価してフィードバック

平成21年度は、20年度に実施したOSCEの学年別到達度を検証しました。その結果から改善点を導き出し、OSCE課題の学年別難易度を可視化した「SCU OSCE MAP(札幌市立大学看護学部が取り組んでいる学年別OSCEの出題可能項目に関する体系表)」を作成しました。このMAPに基づいて、21年度はOSCEの課題作成および実施運営上の調整が行われました。現在は21年度に実施したOSCE結果の検証を行い、22年度OSCEの課題作成前に改善点の提案を行う準備を進めています。

広報・情報部門

1.教育GP 広報・情報班(代表者:スーディ神崎和代)

ホームページやパンフレット、映像を制作

広報・情報班は看護・デザイン両学部の共同チームです。平成21年度はOSCE2年目のホームページを更新し、パンフレット第2号を編集、発行しました。ホームページは大学のホームページにリンクさせ、OSCEの最新情報を届けています。また全学年9看護領域のOSCE実施場面の映像を記録し、広報用・教育用にそれぞれ編集、保存しています。これら記録・保存したデータの利用しやすい管理方法を検討中です。


OSCEの取組みを紹介するホームページ


[平成21年度版パンフレット]


OSCE撮影風景

2.教育GP 公開企画班(代表者:定廣和香子)

学内や学外に向けて情報を公開

学内・学外への情報公開を担当します。平成21年度はOSCE周知と自主的参加を促す学生ガイダンスを実施。学外に向けては年度末に「OSCE2年目の取組み—成果と展望」と題し成果報告会を行いました。同会には全国の大学から計106名の参加を得て意見を交わしました。学部教育の中でのOSCEの位置づけや評価、看護技術到達度への貢献、実習指導者との連携への提案などがみられ、フロアとOSCEを介した看護教育方法を共有しました。次回はOSCE3年目の成果を総括する予定です。

模擬患者養成講座等部門(代表者:渡邉由加利)

模擬患者(SP)のスキルアップを

模擬患者の養成はSP養成コース(入門編)とフォローアップ研修コース(実践編)の2部構成で行います。平成21年度は、20年度に入門編を修了した32名にフォローアップ研修コースを開催しました。本コースを修了した26名が現在SPとしてOSCE・SP参加型演習などで活躍しています。今年度はスキルアップを図り(1)SPを中心とした学習会の開催、(2)他大学のSPとの学習交流、(3)OSCE・SP参加型演習の担当教員との調整、事前練習、事後の振り返りの支援を計画しています。


臨地実習指導者会議担当部門(代表者:須田恭子)

臨地実習指導者との情報交換を

臨地実習とは病院や医療・保健・福祉に関連した施設で行う実習を指します。臨地実習指導者会議部門は臨地実習指導者との情報交換・問題の共有を通し、学生の看護実践能力の向上を目指します。本学は年間13の実習が計画され、136施設192名の臨地実習指導者による指導を受けながら看護実践能力を育んでおります。全実習が終了する2月に臨地実習指導者会議を開き、情報交換・問題の共有化を行います。平成22年度は、模擬患者参加型授業やOSCEの見学機会を提供してOSCEへの理解を深め、参加者自身の学びとして実感できる体制作りに力を注ぎたいと考えています。

大学・病院人材育成連携・協力プロジェクト部門(代表者:河野總子)

大学と病院との連携・協力を実践

北海道大野病院、札幌徳州会病院、札幌中央病院、市立札幌病院との連携・協力を実践しました。意見交換会では「大学との共同研究をしたい」「教育委員が育った」等の意見がありました。また大学教員との連携を体験した看護師が捉える“教員の持つべき臨床実践能力”についてヒアリング調査を実施しました。その結果、看護大学教員には看護実践能力と教育実践能力のどちらも必要で、その方法論を検討することが課題として残されました。現在は、連携を通して教員が臨床能力を維持・獲得する方策、臨床は教育力やコーチング力・問題解決能力を高めるための方策を検討しています。


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